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シクスターリーグ(2024年1~2月)の整理・ベスト32編

どうもAshrmです。

事情があって1~2週間くらいまともに音ゲーができませんでした。それで、久しぶりにちゃんと音ゲーをやったところやけに調子がよく、11万打鍵ほどしてしまいました。しかし、指を細かく動かす能力が回復していても基礎的な前腕の強さが低下してしまっていたため、この日のプレイングで特に左の前腕から手の甲にかけて調子が悪くなってしまいました。そこで、指を休めるために音ゲーの代わりにこの記事に時間を割いてみようということです。そんな記事ですが読んでいただければ幸いです。

 

さて、1月上旬に、第3回イラスターフェスのイベントとして、シクスターゲート・スタートレールPC版の大会「シクスターリーグ*1」が通達されました。賞金総額400万ウォンなど気合が入っている様子が見られましたが、参加資格として「2月18日にKINTEX(韓国国際展示場)で開かれる決勝大会に出場可能であること」というやや厳しい条件があったこと、そして韓国語以外の公式アナウンスがなかったことからか、参加者が(おそらく)韓国プレイヤーしかおらず、シクスターゲート日本語コミュニティでは全くといっていいほど話題に上がりませんでした。ちょっと残念ですが、どうやらこの大会は試験的な側面もあるようで、グローバル展開などはこの大会の結果に左右されることになりそうです。

 

とはいえ、こうした音ゲーの大会を開くということはある意味では「シクスターゲート・スタートレールPC版が競技に堪えうる、本格的な音楽ゲームである」ことのアピールです。したがって、シクスターゲートのファンとしては、この大会で起きたことをある程度日本語でまとめておくことは有意義でしょう。

 

ルール・大会進行

原則DLC曲は用いない*2。譜面は、特別の指定のない限りSOLAR QUASARとする。途中で同点が発生し、勝敗がつかない場合はPUPAで再試合を行い、それで同点が発生した場合はPUPA (STARLIGHT)で再試合を行う。

 

団体予選(1/20)

UNITY QUESTを用い、5~6人のグループ*3で指定された1曲*4をプレイし、残りが32人になるように各組から下位n人*5を脱落させる。32人未満の場合はPUPAで敗者復活戦を行う。参加者の組分けと課題曲は前日の14時17分に公開されたため、事前の対策がある程度可能であった。

 

トーナメント(1/23~1/28 ベスト32、2/3 ベスト16、2/4 ベスト8)

参加者は事前に自選曲3曲を運営に提出する。試合前に相手の選曲から1曲を除外し、試合は残り4曲の中からランダムに選曲された3曲で2本先取。なお、自選曲3曲は初めに決めた3曲でベスト8まで戦い続けるものと思われる。

 

決勝大会(2/18)

準決勝・3位決定戦はトーナメントと同様に進行する。

決勝は新曲3曲と一部の高難易度STARLIGHT譜面を含む課題曲5曲で戦われる。

 

今回はベスト32に絞って書いていこうと思います。

 

ルールの分析(ベスト32)

まずトーナメントの選曲方法について考えましょう。

私は大学音ゲーサークルの人間ではありませんが、周辺に大学音ゲーサークルの人間が多いので、大学音ゲーサークルの音ゲー大会の文脈の影響を強く受けています。一般的な音ゲー大会ではどうなのかよく知りません。

「SOLAR QUASAR譜面のみ」という制約によりどのような効果が生まれるでしょうか。

シクスターゲートコミュニティを見ると、SOLAR譜面はLUNARほど高密度ではないが「他ゲーの経験だけですぐにはできるようにならず、ある程度『SOLAR譜面のための地力』を養うためにシクスターゲートにそれなりの時間触れ続けることが必要な譜面」という印象があります。もちろん「DJMAXの8BやSDVXなど「短いノーツの後ろに長いノーツがある」形式の譜面に慣れている+5レーンまたは7レーンの素養がある」という条件ですぐにSOLARがある程度できるようになる場合もありますが、LUNARより若干とっつきづらいのは事実です*6

そして、STARLIGHT譜面を許容しないのは「譜面数が少ないSTARLIGHT譜面を禁止することによって、選曲の幅を広げるため」とするのが妥当かと思われます。「発狂皆伝がレベル17を投げて地力で蹂躙する」ことを抑止する目的かもしれませんし、実際それが起こったら本当に目も当てられないことになると思いますが、正直QUASARのレベル15もたいがい地力差で殴れる譜面がそろっているとは思うので、そういう効果はあまりなさそうです。とはいえ、「ある程度地力がない人でも1回戦くらいは戦えそうに見えるルール」ではあるかもしれませんね。

「対戦表がわかる前に自選曲を提出し、それで準決勝まで戦わせる」という形式は運営側による「根暗対策」といえるでしょう*7。最初に相手の得意曲・苦手曲を探るいわゆる根暗行為*8の威力が最低限に抑えられているように考えられます。

そして試合形式としては、相手の曲を1つ除外できるとはいえ、運次第で自選が2つ来るか1つしか来ないか分からないというのは結構やばいと思います。DJMAXのように、すでに決まった試合の形があるゲームはともかく、一般的な大学音ゲーサークルでの音ゲー大会では「自選曲・相手の選曲・課題曲」の3曲で戦われるのが一般的だと思います。この形式は、自選曲選びにおける場外戦術などの陰湿な要素を除けば、「自選曲を確実に制して課題曲で勝負する」という特徴があります。ところが、この大会では運次第で過半数の試合を相手の選曲で勝負しなければならないことがあるのです。

とはいえ、今大会では対戦表と相手の自選曲が数日前に公表されてしまうので、事前の対策は全面的に可能になっています。そういう意味では、地力があれば相手の選曲が2曲来ようが何だろうがねじ伏せられる可能性が極めて高くなるでしょう。互いの自選曲を試合直前に明かしてその場で1曲除外させる方が「多少の地力差を運次第でひっくり返せる」ルールになったかもしれませんが*9、今回の運営の方針が公表されているわけではないのでその良し悪しはよくわかりません。

 

実際の選曲・除外曲の傾向

ということで、実際の選曲と除外曲を見てみましょう。

 

まず、除外曲を含めて選曲した人が多い(5人以上)曲と、除外した人が多い(2人以上)曲を示します。

曲名 選曲した人数
9876734123 8
Andromeda 02 7
414 PER SPEED 6
斬鉄剣 5
Lustroustravel (X-mas Remix) 5
MAD ENGINE 5

 

行ラベル 選曲した人数 除外した人数
Andromeda 02 7 5
斬鉄剣 5 4
9876734123 8 3
414 PER SPEED 6 3
Lustroustravel (X-mas Remix) 5 2

 

まず、全体的に高難易度曲が多いことが挙げられます。しかし、レベル別の選曲数で言うと、11が1曲、12が10曲、13が16曲、14が13曲、15が6曲であり、高難易度が多いわけではありません。レベル15の中でも難易度差が激しいことを考えると、少ない高難易度曲に選曲が集中した可能性も考えられます。このことを考えると、全体的には一応多様な地力の参加者が集合しているように見えます。もちろん地力がすごい人が低難易度を選曲している可能性もありますが。

また、QUASAR譜面の中でも異常に難しいAndromeda 02の選曲と除外の多さが目立ちます。Andromeda 02以外の2曲で高難易度でない曲を選んでいる人もおり、「Andromeda 02を除外させてあと2曲の自選を確実に通す」という戦略をとっているようにも思われます。もちろんAndromeda 02をまともに叩ける地力がある人には通用しない戦略ですが、ベスト32ではある程度うまくいっているように見えます。

 

おわりに

あまり分析らしいことができませんでしたが、少なくとも「シクスターリーグについて日本語で記述したものを置いておく」ことはできたと思います。今後のシクスターゲートの競技シーンの地平が開かれるかどうかはまだわかりませんが、2月18日の決勝大会を楽しみにしましょう。POCOTONEも出演するそうです。

*1:リーグではない

*2:ARKKで解禁する曲は用いる

*3:参加者の人数により、最大で8人ずつの組になる予定であったらしい。

*4:Vintage Fairies, 夢/あるいは在りし日の, Milk, Novatail, Andromeda 01, Playing with Ruby, Full Color Cocktail, Wolfsbaneから1曲。スコアを詰めるという観点からは質の悪い曲や対策が必要な曲が多い

*5:前日に棄権者含め2人と決定された

*6:実際、この記事を書いている時点でLUNARベテラン2にもかかわらずSOLARはシニア帯で苦戦している人が観測されています。

*7:そして、今後の試合がどうなるかはよく知りませんが、ベスト32の試合は公式Discordのprivatematchチャンネルで行われ、配信などの形で公開されませんでした。確かにこの形式で過去の試合での相手の自選曲の得点を知れるのはまずいですが、目も当てられない試合を記録しない目的かもしれません。

*8:インターネットを見る限り、大学音ゲーサークルの音ゲー大会においては根暗とその対策がかなり本質的なパートになっているようです。嫌すぎ。

*9:その運要素が大きくなりすぎて問題かもしれませんが、「そんな運要素ごときで勝てるようになるとでも?」という説もあります。